2019年03月21日
娘の卒業式に参加してきました
昨日は娘の小学校の卒業式でした。ちょうど店の定休日と重なったこともあり、父親の私も参加することができました。
最近、小学生の袴姿がマスコミなどでも大きく取り上げられていますが、娘の小学校でも袴姿が多いということで、そのなかで呉服屋の娘が洋装なのはかえっておかしいという考えから、我が家でも娘の衣装を整えました。
(その辺りの経緯と実物をこの記事に書いてありますので、よろしければご参照ください→)http://kimonokawamura.i-ra.jp/e1137961.html
で、実際に着用した姿がこちらです。後ろ姿のみで失礼します。
昨年まではほとんどの女子が袴姿だったということでしたが、今年は半分少し欠けるくらいという印象でしょうか。テレビでよく問題視されている「華美に過ぎる」という姿も、見たところそれほどではないといった感じでした。
もうひとつ懸念されている「着なれていない」問題、これは現代の日本人と着物の関係を端的に表している事柄ですよね。呉服屋としては、日本人が節目を祝う時の衣装で着物を着ることがなぜ問題にされなければいけないのか、と、声を大にして言いたいところなのですが、「着なれていないから転倒や着崩れが心配なのです」と答えられたらそれは厳然たる事実であり、現代呉服業界が抱えている根元的にして構造的な問題そのものなのです。
卒業式という節目を和装で迎えたいという願望は、多くの皆さんが感じている自国文化への憧れと解釈したいですね。問題なのはそれが荒れる成人式の縮小版みたいなとか、一時期の紅白歌合戦の衣装対決のような方向にエスカレートしていく人がいることなんでしょう。そういう人たちも、すべてが最初からそういう趣向というわけでもなく、全体的な流れに乗っていったつもりが踊りすぎたということも多いのではないでしょうか。
和装に目を向けてくれる人たちに対しどう応えるか、卒業式問題だけに限らず業界に向けられた課題なんじゃないかと思いました。もちろん「これ」という正解があるわけではないのですが、培ってきた伝統を踏まえた上での提案が出来なければ、結局はコスプレに流れ根無し草のようになってまた目を向けられなくなっていくのではないでしょうか。
今回の娘の姿も、この場所でこの年齢ならこういった衣装でという当店なりの考えを、恥ずかしながら表明させてもらったものです。決してこれこそが正解なんて思ってもいませんが、親としても満足ですし、他の方にも提案しやすいものだと思っています。
子供の成長は誰にとっても嬉しいものであり、ことに小学校の六年間は成長の大きさからも親の感激はひとしおですね。その卒業式が、よりによって和装が原因で問題視されるようでは悲しいです。多くの人が見て違和感がないくらいに自然になるよう、普及と提案に努めたいというのが本音ですね。
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最近、小学生の袴姿がマスコミなどでも大きく取り上げられていますが、娘の小学校でも袴姿が多いということで、そのなかで呉服屋の娘が洋装なのはかえっておかしいという考えから、我が家でも娘の衣装を整えました。
(その辺りの経緯と実物をこの記事に書いてありますので、よろしければご参照ください→)http://kimonokawamura.i-ra.jp/e1137961.html
で、実際に着用した姿がこちらです。後ろ姿のみで失礼します。
昨年まではほとんどの女子が袴姿だったということでしたが、今年は半分少し欠けるくらいという印象でしょうか。テレビでよく問題視されている「華美に過ぎる」という姿も、見たところそれほどではないといった感じでした。
もうひとつ懸念されている「着なれていない」問題、これは現代の日本人と着物の関係を端的に表している事柄ですよね。呉服屋としては、日本人が節目を祝う時の衣装で着物を着ることがなぜ問題にされなければいけないのか、と、声を大にして言いたいところなのですが、「着なれていないから転倒や着崩れが心配なのです」と答えられたらそれは厳然たる事実であり、現代呉服業界が抱えている根元的にして構造的な問題そのものなのです。
卒業式という節目を和装で迎えたいという願望は、多くの皆さんが感じている自国文化への憧れと解釈したいですね。問題なのはそれが荒れる成人式の縮小版みたいなとか、一時期の紅白歌合戦の衣装対決のような方向にエスカレートしていく人がいることなんでしょう。そういう人たちも、すべてが最初からそういう趣向というわけでもなく、全体的な流れに乗っていったつもりが踊りすぎたということも多いのではないでしょうか。
和装に目を向けてくれる人たちに対しどう応えるか、卒業式問題だけに限らず業界に向けられた課題なんじゃないかと思いました。もちろん「これ」という正解があるわけではないのですが、培ってきた伝統を踏まえた上での提案が出来なければ、結局はコスプレに流れ根無し草のようになってまた目を向けられなくなっていくのではないでしょうか。
今回の娘の姿も、この場所でこの年齢ならこういった衣装でという当店なりの考えを、恥ずかしながら表明させてもらったものです。決してこれこそが正解なんて思ってもいませんが、親としても満足ですし、他の方にも提案しやすいものだと思っています。
子供の成長は誰にとっても嬉しいものであり、ことに小学校の六年間は成長の大きさからも親の感激はひとしおですね。その卒業式が、よりによって和装が原因で問題視されるようでは悲しいです。多くの人が見て違和感がないくらいに自然になるよう、普及と提案に努めたいというのが本音ですね。
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Posted by きものかわむら at 17:12│Comments(0)
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