2020年10月15日
中村康人訪問着 花丸文
今日は訪問着を一品紹介します。
醒ヶ井さんによる一品。実際の制作は草木染料や藍を使った友禅に堪能だった中村康人さんによるものです。残念ながら、先頃お亡くなりになったそうで、当店に残る作品としてはこれが最後のものになりました。
柔らかな薄い紅色をバックに表されているのは、柔らかなタッチにして確固とした存在感を放つ手描きの花丸文たち。
昭和初期の絵摺の木版図案からモチーフを得たもので、そう言われてみると確かに絵の表情のなかにアンティークな雰囲気も感じ取れます。
染料と職人の技術水準に恵まれた大正から昭和初期にかけては、染織界にとっては非常に幸せな時期だったと言われます。今に残る作品を目にしてみても、精緻にして圧倒的な出来映えに目が奪われるものが少なくありません。
温故知新といいますか、過去の名品と対峙し、それを消化した中からまた新しいものが生まれるということで技術の継承もなされていくのでしょうね。「古典の教養に立脚して時代に生きよ」という松岡映丘の言葉が響きます。
技の伝承、発展に直接の関わりはできないまでも、地域に根差した小売店としてそれを皆さんに正しく伝えることで力になっていきたいなと、つくづく思う今日このごろであります。
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醒ヶ井さんによる一品。実際の制作は草木染料や藍を使った友禅に堪能だった中村康人さんによるものです。残念ながら、先頃お亡くなりになったそうで、当店に残る作品としてはこれが最後のものになりました。
柔らかな薄い紅色をバックに表されているのは、柔らかなタッチにして確固とした存在感を放つ手描きの花丸文たち。
昭和初期の絵摺の木版図案からモチーフを得たもので、そう言われてみると確かに絵の表情のなかにアンティークな雰囲気も感じ取れます。
染料と職人の技術水準に恵まれた大正から昭和初期にかけては、染織界にとっては非常に幸せな時期だったと言われます。今に残る作品を目にしてみても、精緻にして圧倒的な出来映えに目が奪われるものが少なくありません。
温故知新といいますか、過去の名品と対峙し、それを消化した中からまた新しいものが生まれるということで技術の継承もなされていくのでしょうね。「古典の教養に立脚して時代に生きよ」という松岡映丘の言葉が響きます。
技の伝承、発展に直接の関わりはできないまでも、地域に根差した小売店としてそれを皆さんに正しく伝えることで力になっていきたいなと、つくづく思う今日このごろであります。
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Posted by きものかわむら at 13:06│Comments(0)
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